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【財産債務調書作成サービス】始めました!

この記事の要点3行でわかる結論

  • 財産債務調書は、国内外を問わずすべての財産と債務を報告する制度です。国外財産調書とは対象範囲も基準も異なります。
  • 令和5年分から、所得の要件なしに「12月31日時点で財産10億円以上の居住者」が対象に加わりました。提出期限も6月30日に変わっています。
  • 提出していれば加算税が5%軽減され、提出がなければ5%加重されます。当事務所では作成のご相談を承っています。

富裕層の資産把握に向けた制度が、この10年で相次いで整備されました。財産債務調書もそのひとつです。名前は地味ですが、対象になれば毎年、自分の財産と債務を税務署に報告することになります。

令和4年度の改正で対象者の範囲が広がり、提出期限も変わりました。この記事では現在の要件を整理し、あわせて当事務所の作成サービスをご案内します。

1. 提出する義務があるのは誰か

提出義務者は、次のいずれかに当てはまる方です。

  1. 所得税の確定申告書を提出する必要がある方等で、その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日時点で価額の合計額が3億円以上の財産、または1億円以上の国外転出特例対象財産(有価証券等)を有する方
  2. その年の12月31日時点で価額の合計額が10億円以上の財産を有する居住者
令和5年分から、入口が2つになったその年の12月31日時点財産10億円以上→ 所得に関係なく提出所得2,000万円超+財産3億円以上→ 提出
②は令和4年度改正で新設。所得が少なくても財産が10億円以上なら対象です

国税庁No.7457 財産債務調書の提出義務

②は令和4年度の改正で新設された区分です。それまでは所得2,000万円超という所得の要件が入口にありましたが、②には所得の要件がありません。所得がほとんどなくても、財産が10億円以上あれば対象になります。資産を持っているが所得は少ない、という方が新たに含まれることになりました。


やました君

①は「確定申告書を提出する必要がある方等」が前提です。②にはその前提がありません。相続で大きな財産を引き継いだ方、事業を譲渡して資産だけが手元にある方などは、所得の水準にかかわらず確認しておく必要があります。

2. 提出期限は翌年6月30日

提出期限は令和5年分から6月30日判定日から約6か月財産を判定する日その年の12月31日所得税の確定申告期限翌年3月15日財産債務調書の提出期限翌年6月30日
改正前は確定申告と同じ3月15日でした

改正前は確定申告と同じ3月15日でしたが、令和5年分から6月30日になりました。国外財産調書と同じ期限です。両方の提出義務がある方は、同じタイミングで準備することになります。

3. 調書には何を書くのか

財産の種類、数量、価額、所在などを記載します。国外財産調書と違い、国内の財産も債務も対象です。自宅の土地建物、預貯金、有価証券、生命保険、貸付金、借入金、住宅ローンなど、すべてが対象になります。

財産の種類ごとに記載事項が定められており、一定の範囲では記載を簡略化できる扱いも設けられています。

国税庁財産債務調書制度及び国外財産調書制度が改正されました

4. 出すか出さないかで、加算税が変わる

状況加算税の扱い
期限内に提出し、その財産または債務が記載されていた5%軽減
提出がない、または記載すべき財産債務の記載がない5%加重

相続により取得した財産債務で、本人に帰責事由がない場合は加重の対象外です。

財産債務に係る所得税の申告漏れが見つかったときに、この差が出ます。国外財産調書と同じ構造です。

5. 国外財産調書との違い

財産債務調書国外財産調書
対象の財産国内外のすべての財産と債務国外財産のみ
提出義務者①所得2,000万円超かつ財産3億円以上または国外転出特例対象財産1億円以上
②財産10億円以上の居住者
居住者(非永住者を除く)で国外財産5,000万円超
所得の要件①はあり、②はなしなし
提出期限翌年6月30日翌年6月30日
加算税軽減5%/加重5%軽減5%/加重5%/書類不提示で加重10%

両方に当てはまる方は、どちらも提出します。なお、国外財産調書を提出した方は、財産債務調書には国外財産の価額の合計額のみを記載すればよいとされています。同じ内容を二度書く必要はありません。

6. 実務で手間がかかるところ

  • 財産の網羅性。国内外すべてが対象のため、洗い出しの範囲が広くなります。生命保険、貸付金、暗号資産、非上場株式など、見落としやすいものがあります。
  • 価額の算定。財産の種類ごとに評価の方法が定められています。相続税評価額とは一致しない項目もあります。
  • 債務も対象。借入金や未払金も書きます。
  • 毎年続く。一度対象になると、基準を下回るまで毎年の作業になります。前年の調書を土台に更新できる形で整理しておくと、負担が下がります。

7. 当事務所に、どこまで依頼できるか

当事務所では、財産債務調書の作成をご相談いただけます。対応している範囲は次のとおりです。

  • 提出義務があるかどうかの判定
  • 財産と債務の洗い出し、種類ごとの評価
  • 調書の作成と提出
  • 国外財産調書とあわせた作成
  • 翌年以降も更新しやすい形での資料の整理

くわしくはこちら

8. まとめ

  • 財産債務調書は、国内外すべての財産と債務を報告する制度。
  • 令和5年分から、所得の要件なしに「財産10億円以上の居住者」が対象に加わった。
  • 提出期限は翌年6月30日。改正前の3月15日ではない。
  • 提出していれば加算税が5%軽減、なければ5%加重。
  • 国外財産調書とは対象範囲も基準も違う。両方に当てはまることもある。

財産債務調書の提出が必要かどうか判断がつかない場合

提出義務の判定から財産の洗い出し、調書の作成までご相談を承っています。国外財産調書とあわせてのご依頼も可能です。財産債務調書作成サービス

よくある質問

財産債務調書の提出義務があるのは誰ですか?

2つの区分があります。ひとつは、確定申告書を提出する必要がある方等で、退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ12月31日時点で財産3億円以上または国外転出特例対象財産1億円以上を有する方。もうひとつは、12月31日時点で財産10億円以上を有する居住者です。後者に所得の要件はありません。

所得が少なくても対象になることがありますか?

あります。令和4年度の改正で新設された「財産10億円以上の居住者」の区分には、所得の要件も確定申告書の提出という前提もありません。相続で大きな財産を引き継いだ方や、事業を譲渡して資産だけが手元にある方は、所得の水準にかかわらず確認しておく必要があります。

いつまでに提出すればよいですか?

その年の翌年6月30日までです。改正前は確定申告と同じ3月15日でしたが、令和5年分から6月30日になりました。国外財産調書と同じ期限なので、両方の提出義務がある方は同じタイミングで準備することになります。

国外財産調書も出している場合、国外の財産を二度書きますか?

書きません。国外財産調書を提出した方は、財産債務調書には国外財産の価額の合計額のみを記載すればよいとされています。ただし、両方の要件に当てはまる方は、どちらの調書も提出する必要があります。

作成を依頼すると、どこまでお願いできますか?

提出義務があるかどうかの判定、財産と債務の洗い出しと種類ごとの評価、調書の作成と提出まで承っています。国外財産調書とあわせての作成や、翌年以降も更新しやすい形での資料の整理にも対応しています。一度対象になると基準を下回るまで毎年の作業になるため、最初に整理の形を決めておくと負担が下がります。

<注記>この記事は、制度の全体像を分かりやすく説明することを目的としています。細部の要件は省略している箇所があります。個別の判断については、顧問税理士または当事務所にご相談ください。記載内容は2026年9月時点の法令等に基づいています。