出国税(国外転出時課税制度)サポート
出国税(国外転出時課税制度)サポート
このサービスの要点3行でわかる結論
- 1億円以上の株式などを持ったまま国外へ転出すると、売っていなくても含み益に所得税がかかります。
- 納税管理人の届出を出国前に済ませておけば、申告期限は翌年3月15日になり、納税猶予も受けられます。
- 査定から申告、納税猶予、帰国時の取消しまで一貫して承ります。初回のご相談は無料です。
1億円以上の株式などを持ったまま海外へ移住すると、売っていなくても含み益に所得税がかかります。
定年後は海外でゆっくり過ごしたい、海外で働く子どもに株式を渡したい——国境をまたぐ財産の移転は年々増えています。そこで設けられたのが「国外転出時課税制度」、いわゆる出国税です。
1. 出国税(国外転出時課税制度)とは
平成27年(2015年)7月1日以降、国外へ転出する時に時価1億円以上の対象資産を持っている場合は、売却していなくても一度売却したものとみなして所得税を精算するという制度です。
まだ実現していない利益に課税されます
売却していないので、手元に現金は入っていません。それでも申告と納税が必要になります。ここがこの制度のいちばん重い部分です。
2. 誰が対象になるのか
次のふたつを両方満たす方が対象です。
| ① | 国外転出の時に所有している対象資産の価額等の合計額が1億円以上であること |
|---|---|
| ② | 国外転出をする日前10年以内に、国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超えること |
ここでいう国外転出とは、旅行ではなく日本国内に住所も居所もなくなることをいいます。長期的に海外で生活される方が対象です。
国税庁国外転出される方へ
3. 何が対象資産になるのか
| 有価証券 | 上場株式、未上場株式、投資信託 など |
|---|---|
| 匿名組合契約の出資の持分 | — |
| 未決済の信用取引・発行日取引 | — |
| 未決済のデリバティブ取引 | — |
見落としやすいのが、オーナー会社の未上場株式です
ご自身やご親族が経営されている中小企業の株式も対象資産です。20年前に資本金1,000万円で設立した会社の純資産が1億円を超えている、というのは珍しいことではありません。
その株式を持ったまま海外へ移住すると、含み益に所得税がかかります。ご存じないまま出国された方も少なくないと思われます。
4. ご自身以外も対象になります
対象になるのは、海外へ移住する本人だけではありません。
- 相続・遺贈で、国外に住む相続人(非居住者)に対象資産が移った場合
- 贈与で、国外に住む親族に対象資産を渡した場合
いずれも、亡くなった方・贈与した方の側で課税されます。「子どもが海外にいる」というだけで論点になりますので、相続対策を考える段階で確認しておく必要があります。
5. いくらの税金がかかるのか
事例
- 上場株式 取得価額 5,000万円 ⇒ 時価 7,000万円
- 未上場株式 取得価額 1,000万円 ⇒ 時価 8,000万円
- アメリカへ移住する予定
判定 7,000万円 + 8,000万円 = 1億5,000万円 > 1億円 → 出国税の対象
株式の譲渡所得は他の所得と比べて税率が低く、一律です。それでも、資産価値が1億5,000万円あっても現金は手元にないという状態で1,378万円を納めることになります。この納税資金をどうするかが、実務ではいちばんの課題になります。
6. 住民税はかかりません
出国税による株式の譲渡所得に、住民税はかかりません。住民税はその年の1月1日時点の住所地で課税されるため、翌年1月1日に日本に住所がない方は対象にならないからです。
※ 同じ株式を日本にいるまま売却した場合は、所得税15.315%に加えて住民税5%がかかります。上の事例では450万円です。
7. いつまでに申告し、納税するのか
納税管理人の届出をしているかどうかで、申告期限も評価の時点も変わります。
| 納税管理人の届出 あり | 納税管理人の届出 なし | |
|---|---|---|
| 資産の評価時点 | 国外転出の時 | 国外転出予定日から起算して3か月前の日 |
| 申告・納税の期限 | 国外転出をした年分の確定申告期限 (翌年3月15日) | 国外転出の時まで |
| 納税猶予 | 要件を満たせば受けられます | 原則として受けられません |
納税管理人の届出を出してから出国するほうが、確実に有利です。期限に余裕ができるうえ、次に説明する納税猶予も届出が前提になります。
8. 納税管理人とは
納税管理人とは、日本を離れる方に代わって、日本での申告・納税・税務署とのやりとりを行う人のことです。ご親族か顧問税理士が引き受けることが多く、当事務所でもお受けしています。
海外に移住しても、日本に不動産があって所得が生じていれば、日本での申告と納税は続きます。その手続きを代わりに行うのが納税管理人の役割です。
くわしくはこちら
9. 納税を猶予してもらえます
含み益への課税ですから、納税資金がないという事態は現実に起こります。あったとしても、そのお金は海外での生活費として考えていたはずです。
このような場合、出国税の納税を待ってもらうことができます。これを納税猶予といいます。
| 納税猶予を受けるための要件 |
|---|
| 国外転出の時までに納税管理人の届出をしていること |
| 期限内に確定申告を行い、猶予を受ける旨を記載すること |
| 必要書類を添付すること |
| 猶予する税額に相当する担保を提供すること |
猶予の期間は国外転出の日から5年間です。それ以上長く海外にいる場合は、延長の届出によりさらに5年(合計10年)まで延ばせます。猶予期間が満了したときは、その翌日から4か月以内に納付します。
※ 猶予は、納税を待ってもらっているだけです。免除ではありませんのでご注意ください。
10. 日本に戻ってきた場合
国外転出の日から5年以内(納税猶予の延長をしている場合は10年以内)に帰国し、その日まで対象資産を持ち続けていた場合は、出国税の課税をなかったことにできます。
期限は帰国の日から4か月以内です
帰国の日から4か月以内に、更正の請求または修正申告を行う必要があります。この手続きをしないと、猶予期間の満了とともに納税を求められます。
ここでいう帰国とは、日本に本格的に戻ってくることをいいます。友人に会いに一時帰国する、という程度では該当しません。
帰国の日が決まったら、すぐに納税管理人にお知らせください。期限のある手続きが続くため、納税管理人は税理士など専門家に依頼しておくほうが安全です。
国税庁国外転出時課税制度
11. 申告していなかった場合
出国税の申告を忘れていた場合、納税猶予を選ぶことはできません。上の事例で計算した税額を、すぐに納めることになります。
さらに、本税に加えて延滞税と無申告加算税がかかります。
これが表に出てくるのは、その方の相続が起きたときであることが多く、そのころには年月が経っています。また、税務署は富裕層の資産状況を把握しており、対象となりそうな方が国外へ出た場合にはお尋ねが届くこともあります。
そのほか、海外で対象資産を譲渡した場合、相続や贈与があった場合など、手続きと注意点は多岐にわたります。対象になりそうな方は、出国の前にご相談ください。
財産債務調書、国外財産調書、そして国外転出時課税制度。国外の資産に課税漏れが生じないよう、制度は年々細かくなっています。
12. 当事務所のサービスの流れ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 初回のご相談で、現在お持ちの有価証券等の内容を確認します |
| 2 | 対象となる場合は、有価証券の金額を詳しく査定します |
| 3 | 納税管理人をどうするかを検討します |
| 4 | 納税資金の確保、担保の提供、納税猶予の届出を検討します |
| 5 | 所得税の確定申告(国外転出時課税の申告)を行います |
| 6 | 納税猶予を受けている場合は、毎年の届出を行います |
| 7 | 猶予が5年を超える場合は、延長の手続きを行います |
| 8 | 日本に帰国された場合は、更正の請求により課税を取り消し、税金の還付を受けます |
あわせて、国外資産に関する対策のご提案もいたします。
13. 料金
| 区分 | 報酬 |
|---|---|
| 初回のご相談 | 無料 |
| 詳細な査定と申告手続き (有価証券の評価額 1億円〜3億円) | 50万円(税抜) |
| 詳細な査定と申告手続き (有価証券の評価額 3億円超) | 別途お見積もり |
- 未上場株式がある場合は、別途加算があります(売上規模・資産内容によって変わります)。
- 確定申告において、株式・年金・給与以外に不動産所得などがある場合は、別途報酬が加算されます。
14. まとめ
- 1億円以上の対象資産を持って国外へ転出すると、売っていなくても含み益に所得税がかかります。
- オーナー会社の未上場株式も対象です。ここを見落とすケースが多くあります。
- 納税管理人の届出を出しておけば、申告期限は翌年3月15日になり、納税猶予も受けられます。
- 5年(延長で10年)以内に帰国すれば、帰国から4か月以内の手続きで課税を取り消せます。
<注記>このページは制度の全体像をご説明するものです。個別の判断は、保有されている資産の内容を伺ったうえでご案内します。記載内容は2026年9月時点の法令等に基づいています。
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