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海外出張が多い会社は出張旅費規定を作成し、日当・宿泊費・支度料を支給して節税できる!

海外取引がある会社は、海外へ出張することも多いと思います。その場合は、会社で出張旅費規定を作成し、それに沿って「日当・宿泊費・支度料」を支給することで会社の経費となり、支給を受けた個人の所得税は非課税であるため、中小企業の節税策として多く使われています(*^^*)

 

海外出張は日当と宿泊費を支給して節税できる!

 

1.日当、宿泊費、支度料の意味は

日当とは?

日当」の意味を今一度考えてみましょう。ネット辞書のコトバンクには以下のような意味で書かれていました。

『日当とは、一般的に労働者が勤務地を離れて業務に従事する出張時に、交通費や宿泊費以外に出張に伴う精神・肉体的疲労に対する慰労や諸雑費の補填といった意味合いで支給される事が多い。』

 

出張に行くと普段とは違った環境なので、精神的に疲れることが多いでしょう。また移動も多いため、肉体的にも疲れます。

 

そのほか、出張で泊まりになれば、出張用のカバン、洗面道具、洋服、その他諸々の雑費を用意することになります。しかしこれを会社に経費精算したら、「はぁっ?」と、経理に嫌な顔されて精算される訳ありません(笑)

 

そのため日当として、出張へ行く人のために手当を支給しているのです(*^^*)

 

宿泊費とは?

宿泊費は簡単ですね。出張の際に泊まるホテル代です。

 

支度料(支度金)とは?

次に支度料です。「支度金」とも言いますね。支度料の意味はこちらです。

『支度料とは、外国旅行において内国旅行とは異なる準備・携行品等を要するためのこれらの費用にあてるため支給する旅費である。』

 

海外出張となると、国内と違って準備と携行品に結構なコストがかかります。会社の仕事で出張しますので、そのコストを役員や従業員の個人に負担させるのは辛いものがあるでしょう。そこで「海外出張の準備費用の補填」として支度料を支払うのです。

 

併せて、この支度料の「支払い基準」を確認しておきましょう。「国家公務員等の旅費に関する法律」ではこのように書かれています。

(支度料)
第三十九条 支度料の額は、出張及び赴任の区分並びに出張にあつてはその旅行期間に応じた別表第二の定額による。

2 本邦から外国に出張又は赴任を命ぜられた者が過去において支度料の支給を受けたことがある者である場合には、その者に対し支給する支度料の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、その赴任又は出張を命ぜられた日から起算して過去一年以内に支給を受けた支度料の合計額を差し引いた額の範囲内の額による。

3 外国在勤の職員が他の外国に出張又は赴任を命ぜられた場合において支給する支度料の額は、第一項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、前に受けた支度料の合計額を差し引いた額の範囲内の額による。

 

毎月1週間ほどの海外出張がある人に、毎回この支度料を払うのはちょっと違和感がありますよね。そのため支度料の支払い規準が決められているのです。

まとめると、『過去の海外出張から1年以内にまた海外出張へ行った場合は支給は無し』ということです。毎回支給していたら会社が持ちません(笑)

そのため、1年に一回程度は支度料を支給できるということになります。民間の会社でもこの規定に準じて規定を作られると良いでしょう。

 

2.日当、宿泊費と支度料は所得税が課税されない?

日当は手当として支給しますが、慰労や諸雑費の補填なので所得税では非課税(税金がかからない)となり、もらった個人に所得税は課税されません。ようは給与とはならないということです(*^^*)

 

また宿泊費の場合は、規定で「実費精算」か「渡し切り」の2パターンあります。前者の実費精算は、出張が終わり、後日領収証を経理に渡して精算するものです。

 

後者の渡し切りとは、出張が多い会社や、スタッフの人数が多い会社は、経費精算に手間がかかり面倒であるため、会社で旅費規定を作成し、そのルールに則って役職者や地域別に日当を「一律で支給」するやり方です。

 

よって日当は一律に支給されるため、基本的にどこに泊まろうが関係ありません。そのため、いいホテルに泊まって足りない分があれば自己負担となりますけどね(笑)

 

逆にケチって、決められた宿泊費以下のホテルに泊まっても、差額は大したことありませんが、微々たるお小遣いにはなるでしょう(笑)

 

税金の面ですが、渡し切りの場合も、会社で出張旅費規定があり、それに従って払われており、一般常識から考えて高額で無ければ所得税は課税されません

 

3.中小企業の日当・宿泊費・支度料はいくらにするか?!

ここがみなさんが気になる一番のポイントでしょう(*^^*)

 

昔ながらの税理士事務所では、宿泊費は会社で実費精算しているにもかかわらず、日当のみで5万円とか支給しているところがあります。お医者さんとか特に。これは一般常識で考えても無謀ですよね(笑)

 

例えばこの金額で計算すると、月に2回出張があり、年間だと24回の出張となると、日当を1回で5万円支給すれば、「5万円×24回=120万円」となります。この日当を社長に支払って、会社の経費になり、また所得税は非課税というのは誰しもが異様に思うはずです。

 

これが税務調査で否認されれば、これを社長に支給していた場合は、社長個人への役員賞与となり法人では経費にできませんので法人税が課税され、ダブルで社長個人の所得税も課税されます。

 

また役員賞与であるため、源泉所得税の徴収漏れ、不納付加算税、延滞税などの源泉関係の税金と罰則もかかってきますので、下手なことはやらない方が得策でしょう。

<税金のトリプルパンチ>

・役員賞与

・法人の経費とできない

・源泉所得税関係

 

そのため当事務所では、下記の調査統計資料や、国家公務員の旅費を参考に出張旅費規定を作成しています。

▼ 2017年度 国内・海外出張旅費に関する調査(産労総合研究所)
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/shanaiseido/shuccho/pr1710.html

 

▼ 国家公務員等の旅費に関する法律
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000114&openerCode=1

 

▼職員の旅費に関する条例

http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010391001.html

 

では日当の金額をいくらにするかですが、以上の資料を参考にして、「中小企業の経営者」の場合で考えると以下の金額くらいになるのではないでしょうか。

<中小企業経営者の日当・宿泊費・支度料の目安>
◆国内出張旅費
 日当  5千円/日
 宿泊費 2〜3万円/日

 

◆海外出張旅費
 日当  1〜1.5万円/日
 宿泊費 3〜5万円/日

 

◆海外支度料

 1回 10〜15万円

 

これはあくまでも山下個人の見解です(*^^*)

 

「内閣総理大臣よりも高いじゃないか!」と怒られそうですが、それは当たり前です。だって、内閣総理大臣は「税金」から報酬が払われているので、税金であればコストは抑えられているはずです。

税金を無駄に、また高額に使うことは問題がありますよね。国民から文句を言われますので、そうせざるを得ないのです(*^^*)

民間企業であれば、会社でルールを決め、そのルール通りに支払えば、誰からも文句を言われることは無いのです。

会社によって金額や規定の基準が違いますので出張旅費規定を作成の場合はご相談ください(o^^o)

当事務所では、顧問弁護士と一緒に個々の会社に合った規定を作成しています。最初は報酬が発生しますが、始めにきちんと作成しておけば、将来の節税額、それとリスクヘッジを考えても、かなり安い投資です!

 

4.いくつかの注意点

出張旅費規定の作成と運用において、いくつかの注意点を紹介しておきます。

 

◆出張旅費規定を作成する

これは当たり前ですね(*^^*)

規定も何もないのに、運用もできません。ネットでも雛形がありますが、これはきちん会社の実情にあったものを作っておくことをオススメします。

 

◆規定通りに運用する

これがやれていない会社が多いです(笑)
規定を作ったはいいが、役員や自分の身内だけ日当や宿泊費を支給して、スタッフさんは全く運用されていない・・・、というのは明らかにアウトですからね(笑)

規定を作ったのであれば、スタッフさんもその規定通りに運用し支給してください。

 

◆個人事業では、事業主の自分には日当を支給できない

ここは間違いが多いのでご注意ください。
個人事業主の場合は、自分自身に日当を支給することができませんし、渡し切りの宿泊費もダメです。出張旅費規定を作っても自分自身には支給できませんので、スタッフさんだけの運用となります。

 

5.海外出張の出張旅費は、消費税の対象外となるので注意

消費税についても少し触れておきましょう。

 

所得税は非課税のため個人に税金はかかりませんが、消費税も海外の出張のため消費税は含まれていません。

 

そのため、国内の出張と海外の出張が多い会社は、経理処理に十分ご注意ください。

対策としては、旅費交通費とは別に「海外旅費交通費」という科目を新たに作り、消費税の基本設定を「対象外」にするか、旅費交通費の科目に「補助科目やタグ」を作成して、その補助科目の消費税の基本設定を「対象外」にしておきましょう。

 

◆海外旅費交通費(消費税:対象外)

◆旅費交通費(補助科目やタグ:海外旅費)

 

こうしておけば、国内と海外がキチンと分かれるため、チェックもしやすく、ミスが無くなります(^-^)v

 

6.海外出張旅費のまとめ

出張旅費の節税は鉄板ですが、鉄板であるため「テキトー」に作成と運用している会社や税理士事務所が多いです。それはネットや本を見れば、どこにでも書いてある節税手法だからです。

 

ただ、万が一のリスクはかなり高いので、しっかりした規定と運用することをオススメします(*^^*) 当事務所で出張旅費規定を作成のお手伝いもしていますので、必要な方は相談へお越しください!

 

<注意>

こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)