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税金情報&お知らせ
輸入仕入れで前渡したお金は、会計の処理に注意する
商品や材料を海外から輸入仕入れする場合には、代金の一部を前もって払う場合があります。これを「前渡金」や「前払金」と呼びます。
輸入であれば外貨で支払うことになりますので、その際の会計処理を事例で確認しましょう!
1.輸入取引の前渡金の処理方法
<事例>
◆3月6日
アメリカの会社と輸入契約し、商品代金3万ドルの一部である1万ドルを先に支払いました。
残りは商品到着後に支払います。
前渡金 1,050,000円 / 現預金 1,050,000円
※為替レート 105円/ドル
◆4月30日
輸入手続きを経て商品を引き取りました。
仕入 3,090,000円 / 前渡金 1,050,000円
買掛金 2,040,000円
※為替レート 102円/ドル
<注意!>
買掛金の計算はこのようにします。
(3万ドルー1万ドル)×102円=2,040,000円
前受金の処理と同じですね(^ ^)
»»»輸出売上でお金を先にもらう前受金。決算で残っていても為替の再計算する必要なし!
2.前渡金・買掛金の決算処理も注意する
次に、買掛金が決算期末に残っていれば、決算日の為替レートで換算し直す必要があります。
上記事例の会社が5月末決算で、為替レートが1ドル110円になったとしましょう。
為替差損 160,000円 / 買掛金 160,000円
※2万ドル×(110円ー102円)=160,000円
ここは基本ですね!!
また、この会社が3月末決算で、前渡金の1万ドルが残っていたとしましょう。
3月末の為替レートが1ドル104円でした。
<決算処理>
処理なし!!
ここも前受金と同じように、期末では換算し直しませんのでご注意ください(^ ^)
3.まとめ
輸入仕入れの前渡金、輸出売上の前受金の外貨取引は、通常と少し変わっています。
特段難しい処理ではありませんので、「外貨の前渡金・前受金は期末換算しない!」と覚えておきましょう。
<注意>
こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)