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税金情報&お知らせ
輸出売上でお金を先にもらう前受金。決算で残っていても為替の再計算する必要なし!
輸出売上は、海外との取引であるため、船便であれば時間を要します。
そのため商品代金の一部を、出荷前にもらうことも多いでしょう。
この代金のことを「前受金」と言います。
輸出売上の前受金は、円換算する時期が国内の取引と違うので、事例で確認しましょう!
1.輸出売上の前受金
<事例>
◆3月5日
アメリカの会社と3万ドルの商品売買を契約し、1万ドルの頭金(前受金)をもらった。
現預金 1,060,000円 / 前受金 1,060,000円
※為替レート 106円/ドル
◆4月10日
商品の船積みが完了した。
売掛金 2,200,000円 /売上 3,260,000円
前受金 1,060,000円
※為替レート 110円/ドル
<注意!>
売掛金の金額は、(3万ドルー1万ドル)×110円=2,200,000円と計算します。
間違いが多いのが、売上を3万ドル×110円=3,300,000円と計算し、売掛金を前受金との差額3,300,000円ー1,060,000円=2,240,000円とは計算しません。
また、外貨の換算レートはこちらの記事も参考にください。
取引日当日の為替レートでなくても、前月の平均レートなどを使うことも可能です(*^^*)
2.決算期末をまたぐ場合には注意!
上記の取引が、決算日をまたぐ場合には注意が必要です。
例えば、売掛金2,200,000円(2万ドル分)が決算期末に残っていれば、期末の為替レートで円換算し直す必要があります。
決算日の為替レートが115円の場合は、以下の仕訳が必要となります。
売掛金 100,000円 / 為替差益 100,000円
※2万ドル×(115円ー110円)=100,000円
これは基本中の基本ですね!
逆に、この会社が3月決算の場合で、前受金が決算期末に残っていた場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、前受金は期末換算をしません!
<決算日>
なにも処理しないでOK!!
これは上記の事例で、前受金の金額は変わらずに、残りの売掛金に為替レートをかけたのと同じ理屈で、『お金を受け取った=その時点で金額が確定している』ということが理由でしょう。
まあ僕の想像ですが(笑)
3.まとめ
輸出取引の場合は、経営上のリスクを考えれば、事前に商品代金をもらうことが好ましいです。
海外との取引は何があるか分かりませんからね。
そのため、この前受金が頻繁に発生する会社は注意して下さいね(^ ^)
<注意>
こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)