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法人設立1期目に、輸出売上の消費税還付ができる方法は?

法人の設立1期目は、消費税を支払う義務(例外あり)はありませんが、還付をもらう権利もありません。ただ輸出売上だけのような会社は、小規模であっても消費税の還付を受けた方がお得です。

そこで今回は、『法人の設立1期目に消費税の還付を受ける方法』について説明します(o^^o)

設立1期目に輸出売上の消費税還付を受ける方法

 

1.開業から2年間は消費税の納税義務なし

基本的に、法人を設立した1年目と2年目は、消費税を納める必要はありません。ただ例外として、設立時から資本金が1千万円以上あるような会社は自動的に消費税を納税する義務が発生します。その他特例もありますが、ザックリと「開業から2年間は消費税無し」と覚えておいてください。

 

ということは、別の記事でも説明したとおり、設立1年目から輸出売上があり、消費税の還付を受けれる状況であっても、納める義務がなければ、還付してもらう権利も無いということです。

 

ではどうしたら良いのでしょうか?

 

2.届出書を提出する

以下の届出書を提出する必要があります。

消費税を払う会社になる届出

»»»消費税課税事業者選択届出手続

 

詳しくは、こちらの記事で書いていますのでご確認ください(*^^*)

»»»輸出売上の消費税還付は、免税事業者ではできない!

 

3.届出書の提出時期に注意しよう!

基本の流れは、上記の記事となりますが、開業初年度はひとつだけ違うところがあります。それは、『いつまでに提出するか』です。

 

課税事業者になるには、『なりたい事業年度の前の日まで』に、上記の届出書を提出する必要がありました。しかし、開業初年度の会社の「なりたい前の日」は開業前なので、開業前に消費税の届出書を提出するのは当然無理な話です(笑)

 

そのため開業初年度だけ特別に、提出期間が別で決められています。それは、『開業初年度の期末までに提出』すれば大丈夫です(*^^*)

 

事例で考えてみましょう!

<ケース1>

・1月16日に法人を新規設立

・12月末決算

・開業初年度は1月16日〜12月31日まで

 

この場合は、『初年度の12月31日まで』に、課税事業者選択届出書を提出すれば、1期目から課税事業者になることとなります。よって、輸出売上が開業初年度からある場合は、還付できる権利を得られるということです。

 

4.気をつけるべき大事こと

ここは重要なので、しっかり理解してください。

 

これを選択すると、強制的に『2年縛り』となります。あの、携帯のキャリアでよくあるアレです(笑) 2年縛りとは、『課税事業者を選択したら、2年間は課税事業者になっててね』ということです。

 

「これで何が不都合があるの?消費税還付してもらえるから、万々歳じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

 

そうですね。特にずーっっと輸出売上があり、続いていく会社であれば問題ありませんが、万が一2年目、3年目で輸出売上が減少し、日本国内の売上が急に伸びた場合はどうなるでしょうか?

 

その場合は、開業2年目までは消費税を納税する義務が無かったのに、この届出書を提出したおかげで、「必要のなかった消費税を納税する」可能性があるということです!!

 

これはケースバイケースなので、絶対ではありませんが、この届出を出すのであれば、しっかり知っておいて下さいね(^ ^) 行きはヨイヨイ、帰りは怖い、となりますからね。

 

よって、万が一3年目以降に輸出売上が全く無くなっても、この届出書の効力は残っていますので、消費税が還付されない場合には、「消費税の納税」の可能性だってあるのです。

 

そのため、以下の届出書をできたら出すようにしておきましょう。

課税事業者をやめる届出

»»»消費税課税事業者選択不適用届出手続

 

これを出しておけば、強制が解除されます。

以下、事例を見て確認しましょう!

<ケース2>

・1年目売上 800万円

・2年目売上 2,000万円

・3年目売上 5,000万円

※全て輸出売上とします

 

この場合は、「2年目の期末まで」に届出書を出してはいけません。

不適用届出書」を提出してしまうと、3年目の2年前の売上が1,000万円以下であるため、3年目が自動的に「免税事業者」となり、輸出売上の消費税の還付が受けられなくなります。

 

 

<ケース3>

・1年目売上 1,500万円

・2年目売上 2,000万円

・3年目売上 5,000万円

※全て輸出売上とします

 

今回の場合は、1年目が1,000万円を超えているため、3年目も自動的に課税事業者になるため、輸出売上の消費税の還付は受けられます。

 

そのため、2年目の末までに「消費税課税事業者選択不適用届書」を提出しておいた方が無難です。万が一のこともありますので。

 

 

5.まとめ

課税事業者を選択した場合には、消費税の還付を受ける権利は得られましたが、自分で手を挙げて消費税を納める事業者になったので、当然納税の義務も生じます。

 

この辺りはかなり複雑で、『いつ課税事業者を選択して、いつ取り下げるのか』十分に検討して下さい。当事務所では、「消費税還付コンサルティング」というサービスもやっていますので、お困りの方はお問合せ下さい(*^^*)

»»»【完全成功報酬】消費税還付サービス

 

<注意>
こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)