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税金情報&お知らせ

海外へお金を送る人、海外からお金を送ってもらう人は、国外送金調書のことを知っておこう

今回は、国外送金調書のことを学びましょう!!

 

国外送金調書とは

 

1.国外送金調書とは?

調書」とは、調べた書類という意味です。

よって漢字のままに訳すと、『国外にお金を送金した人を調べた書類』ということです。

 

国外送金調書は、平成10年(1998年)4月から施行され、最近では令和2年(2020年)事務年度における国外送金調書の提出枚数は約659万枚とのことです。

 

659万枚÷1年の営業日240日で割ると、1日あたり27,458枚作成されていることになります。

よって、少なく見積もっても27,458枚×100万円=274億5千万円以上のお金が、1日で日本と海外でのお金のやり取りがされているということです。

かなりの金額になりますね\(^o^)/

 

また、国税庁が発表した資料を見ると、国外送金調書は右肩が上がりに増えています。

それだけ、国外との取引が増えたということです。

 

国外送金調書 国税庁2022年レポート

※2022年度版国税庁レポートより

 

2.誰が提出する必要があるのか

これは金融機関が作成し税務署へ提出します。

よって、我々一般個人や法人は一切関係ありません(*^^*)

 

「だったら説明する必要無いんじゃないの?!」と思われそうですが、海外と取引をしている会社や、個人で海外に投資をしている人、家族が海外に住んでいる人は、この知識は知っておいて損は無いでしょう。

 

3.提出の範囲は?

金額が100万円を超える取引について提出することになります。

平成21年(2009年)4月より、提出基準が200万円超から100万円超に引き下げられました。

 

4.どんなことを書いて提出するのか

この調書に記載すべき事は以下のようなものです。

そこまで詳しく知る必要はありませんので、ザックリと確認しておきましょう。

・「国内」から「国外」へ国外送金をした人の住所と氏名

・「国外」から「国内」で国外からお金を受け取った人の住所と氏名

・上記を行った日付

・上記を行った相手の氏名

・マイナンバーや法人番号

・取次をした金融機関の名称

・どこの国に送ったのか相手国名

・どこの銀行口座を使ったのか

・日本円、外貨でいくらの送金をしたのか

・送金原因

・備考の欄には、納税管理人のことを書く

 

結構細かく情報を報告されますね・・・。

 

送金原因とはなんでしょうね?

振込むときに、何の目的で振り込むのか書く欄があるのでしょうか?!

 

調書の書き方を見ると、「国際収支項目番号」を書いても良いようです。

»»»国際収支項目番号一覧・内容解説

こんなのがあるんですねー。知りませんでした。

 

5.調書はどんなの?

コレが調書の雛形です。

 

 

これを銀行が合計表にまとめて、毎月税務署へ報告しているとのことです。

銀行もかなりの手間ですよね・・・。

法律で決まっているといっても、国のために働いているようなもんですからね(笑)

 

6.税務署からお尋ねも?!

このように海外へ送金、海外からお金が入金されたら、100万円超であれば税務署に報告されます。

その中で「怪しいお金」と税務署から判断されると、税務署からお尋ねの手紙が届きます。

そのような場合は、紳士に対応することをオススメします。

»»»国外送金のお尋ね回答サポート

 

お尋ね」なので、法的に絶対に回答しなければいけない訳ではありませんが、万が一回答が無ければ、実際に来て書類を確認される可能性もあるでしょう。

回答が無いのであれば、「怪しい」と思ってしまいますからね(*^^*) 

立場的に「性悪説」で考えてしまうのです。仕事的に仕方ありませんよね。

 

だから、怪しいことが無ければ、キチンと回答するようにしましょう。

万が一、回答に悩むようであれば、当事務所までご相談下さい(*^^*)

»»»国外送金のお尋ね回答サポート

 

7.まとめ

この国外送金調書は随分前からありましたが、出国税(国外転出時課税制度)や、国外財産調書など、日本国外へ行く方の富裕層の財産把握は特に税務署は力が入っています。

 

脱税はダメですが、国外の所得だから申告する必要が無いだろう、知らずに贈与税などの税金がかかるなどありますので、国外にお金を送金される際は、一度専門家へご相談下さい(*^^*)

»»»国外送金のお尋ね回答サポート