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税金情報&お知らせ
外貨の相続財産は、日本円に計算し直して相続税を計算する
最近は、ドルやユーロなどの外貨を相続財産でお持ちの方も多くいらっしゃいます。今回はその場合の注意点をご紹介します!
1.相続財産に外貨があった場合
日本で相続税を計算する場合には、外貨を円に計算する必要があります。これは当たり前ですよね。
それは相続税を円で支払う必要があるからです。
では、円で計算するときの為替相場はいつのを使うのでしょうか?!
答えを最初に言いますと、「相続時のTTB(対顧客直物電信買相場)」により、外貨を日本円で計算して相続財産とします。
なぜ「買い」を使うとかというと、相続財産が少なくなるからです。よって、納税者(相続人)の有利に判定して良いこととなっています。
基本的に売り相場であれば、TTBよりも2円も高いですからね。これは相続人に優しい決まりです(^ ^) 分かりやすいように、ひとつ事例で確認してみましょう!
<事例>
相続財産で外貨預金(USドル)が10万ドルありました。
では相続の財産はいくら(円)になるのか?
以下が、相続時点の為替相場だとします。
TTS(電信売相場) 112円/ドル
TTM(仲値) 111円/ドル
TTB(電信買相場) 110円/ドル
財産の場合はTTB(電信買相場)なので、110円を使います。
10万ドル×110円(TTB)=11,000,000円
この金額を相続財産とします。
では、逆にTTS(電信売相場)を使った場合はどうなるでしょうか?!
10万ドル×112円(TTS)=11,200,000円
財産が高くなりましたね。
財産が高くなると一見良いようですが、相続税は、「財産ー債務=純財産」に課税されます。
よって、財産が増えれば、おのずと純財産が増えて、相続税が増えてしまうのです!
だから国としては、ここの計算は相続人の有利で良いことになってます。
ちなみに、TTBのBとは「Buying」のことで、TTSのSは、「Selling」という意味です。
銀行が外貨を買ったり、売ったりするということですね。
ついでに余談ですが、TTMの求め方はTTSとTTBの金額を足して、それを2で割るとTTMが計算されます。
上記の例ですと、(112円+110円)÷2=111円ということですね!
各銀行の為替レートはこちらで確認しましょう。
<外貨為替レート>
なお、相続の日が「土日祝日など休み」の場合には、「相続の直前のもっとも近い日のTTB」となります。
これは、外貨の評価と同じ考えですね。
»»»海外から商品を仕入れた(海外へ売った)場合の、為替レートはいつの日を使うのか?
2.債務はどうするのか?
財産があれば、外貨の債務もあるでしょう。最近は、海外の不動産投資をして、現地で資金を調達している方もいらっしゃいますからね。
債務の場合は、「TTS(対顧客直物電信売相場)」を使います。
これも理屈は簡単で、債務は多めに計算したいので、TTSを使った方が有利になりますからね。
財産と債務では使う為替相場が違うためご注意下さい(*^^*)
3.まとめ
ちなみに、「外貨を贈与」するときも同じ計算になります(*^^*)
今後は、円のリスクヘッジのために、外貨を持つ方が多くなるでしょう。僕もこの意見は賛成です。
やはりリスクヘッジは「分散」ですからね!
<注意>
こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)