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消費税の課税期間を短縮して、輸出売上の消費税をいち早く還付してもらおう!

今回は、貿易業の方で毎年消費税が還付となる会社で、『消費税の還付をいち早くもらう得ワザ』をご紹介します(*^^*)

 

消費税の課税期間を短縮し消費税をいち早く還付する

 

1.計算期間(課税期間)を短縮する

基本的な消費税の計算は、1年の決算で計算します。そのため、輸出売上が多くを占める会社では、売上を計上してから消費税の還付があるまで、最長で1年以上かかることになります。

 

【課税期間の原則】

・法人 ⇒ 事業年度(例:4月1日〜3月31日までなど)

・個人 ⇒ 1月1日から12月31日まで

 

そうすると、その消費税を会社が先にキャッシュアウト(立替)することになりますので、場合によっては会社の資金繰りが大変になることもあるでしょう。

 

このような場合は、消費税の計算期間の1年を、「3ヶ月毎」や「1ヵ月毎」に短縮して計算することができます。そうすれば、最短で3ヶ月ほどで消費税を還付することが可能になるのです!

 

ただ、予定納税で仮決算をしても還付されない仕組みになっています。これは「予定」でしかありませんからね(*^^*) そこはご注意下さい。

 

2.事例で確認する

では、以下事例で考えてみましょう。

 

法人のケース

例えば3月末決算で考えてみましょう。

 

<3ヶ月毎に短縮した場合

◆4月1日から6月30日まで  ⇒申告期限は8月31日

◆7月1日から9月30日まで  ⇒申告期限は11月30日

◆10月1日から12月31日まで  ⇒申告期限は2月28日

◆1月1日から3月31日まで  ⇒申告期限は5月31日

 

というように3ヶ月毎(四半期決算のイメージ)に区切り、区切った終わりの月から2ヶ月以内に消費税の申告をすることになります。

 

 

 

<1ヶ月毎に短縮した場合>

◆4月1日から4月30日まで ⇒6月30日まで

※以下、同じく毎月続きます。

 

 

こちらは1ヶ月毎なので、毎月消費税の申告をすることになります。そのため、かなりしっかりとした管理が必要となります。だからオススメは、やるのであれば3ヶ月毎が実務的にも現実的でしょう。

 

僕は以前1ヵ月毎でやりましたが、かなり大変でした(笑) お客さんにも手間がかかりますからね。そのときは、1ヵ月ごとにしないといけない特殊な案件だったからです。1ヶ月毎にしないと、還付額が小さくなるケースもありますので。

貿易業であれば3ヶ月毎でちょうど良いでしょう。

 

個人事業のケース

個人事業は誰でも一緒で、決まっています。

 

<3ヶ月毎に短縮した場合>

◆1月1日から3月31日まで  ⇒申告期限は5月31日

◆4月1日から6月30日まで  ⇒申告期限は8月31日

◆7月1日から9月30日まで  ⇒申告期限は11月30日

◆10月1日から12月31日まで  ⇒申告期限は3月31日(ここだけ特別)

 

<1ヶ月毎に短縮した場合>

◆1月1日から1月31日まで ⇒申告期限は3月31日

以下、同じく毎月続きます。

 

ただ、最後の12月1日から12月31日は、申告期限は基本通りの3月31日となります。上記の3ヶ月毎と同じですね。

 

3.書類はこちらを提出する

この計算期間を短縮するには、以下の届出書を提出する必要があります。これは法人も個人事業も同じ書式を使います。

 

▼消費税課税期間特例選択・変更届出手続

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1932_1.htm

 

この書類のポイントはひとつです。

 

いつ出すか

 

「今でしょ!」ではありません(笑)

この届出書を提出すると、3ヶ月毎や1ヶ月毎に区切った次の課税期間から適用開始となります。

事例で確認してみましょう。

<例>

・3月決算

・3ヶ月毎に短縮する予定

・8月31日に「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を提出した

 

この場合、3ヶ月毎に区切ると「7月1日から9月30日まで」の期間に入ります。そうすると、次の区分の「10月1日から12月31日まで」から3ヶ月毎の適用がスタートとなります。

 

 

ここでひとつ注意するのが、「この年の4月1日から9月30日までの期間はどうするのか?」という疑問がでます。この場合は、この期間を課税期間として、2ヶ月後の11月30日までに消費税の申告をする必要があります。ここはご注意下さい。

 

そのため、『いつから短縮したいのか?』というのをしっかり決めてこの届出書を提出しなければいけません。早く出しすぎてもダメですし、遅すぎると取り返しのつかないことになりますからね(*^^*)

 

4.計算期間を短縮するメリット

ここでこの手続をするメリットを見てみましょう。

資金繰りが楽になる

これが一番のメリットでしょう。というか、これ以外のメリットはほとんどありません。。。そのため、資金繰りがそこまで厳しくない会社であれば、無理に期間を短縮する必要はありません。デメリットの方が多いですからね。

 

本当にこれくらいです・・・。

 

5.計算期間を短縮するデメリット

次にデメリットです。ここは本当に注意して下さい。

手続きが面倒である

税務署から税金を還付してもらうには一苦労です。それも3ヶ月毎、1ヶ月毎になるとかなり手間はかかります。ある程度きちんとした経理体制を整えておかないと、この短縮で還付してもらうのはよした方が良いでしょう。

 

税理士報酬(コスト)が発生する?!

これも一応確認しておきましょう(笑) 我々の事務所であれば少なからず報酬はいただきますので(*^^*) 手間はかなりかかりますからね。

これと同じようなもので、この短縮を使って経理が残業し、残業代の方が多くなりました。。。

という笑えない話にならないように注意してください(笑)

変に「間接コスト」がかかって、還付額は十数万円しかなければ、まとめてやった方がマシですからね。

 

2年縛りになる

これが一番のデメリットです。一度これを選択してしまうと、2年間は同じことを繰り返さなければいけません

 

そのため、一時的に輸出売上が増えたからといって短縮をし、すぐに普通の1年計算に戻そうとする事はできませんのでご注意ください。

 

6.短縮した期間を元に戻す

では元の1年計算へ戻すにはどうしたらよいのでしょうか?!

それは2年目を過ぎるときの最初の課税期間以降に、以下の届出書を提出しなければいけません。

 

▼消費税課税期間特例選択不適用届出手続

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1932_2.htm

 

分かりにくいっすね・・・(笑)

 

上記の事例であれば、「2年後の7月1日以降」しか、税務署ではこの届出書の受付をしてもらえないということです。このあたりがいやらしいですよね。

よって、いつ出して、いつ頃辞めるのかの期日の管理もしておきましょう。

 

7.まとめ

説明している僕も面倒になってきました(笑)

 

このように、早く税金を還付してもらうメリットを享受するには、ある程度の「リスクと義務」を負うことになります。そのため、資金繰りの都合上でなければあまりオススメするものではありません。それよりも、メイン銀行と交渉して、還付される分を短期の借入金で回したほうが賢明でしょう。

 

例えば、毎年の還付額が500万円だとして、金利が2%であれば年間約10万円くらいの金利になります。であれば、コストや時間的にもこちらのほうが安いかと思われます。

顧問税理士から「短縮した方が有利だ!」と営業されて、無駄な申告料を払うよりもお得の可能性がありますからね(笑)

 

 

<注意>

こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)