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税金情報&お知らせ
中古品の輸出は消費税のインボイスで気をつける(帳簿の保存)
日本で中古品を仕入れて、海外へ販売している、いわゆる「輸出業」の話です。
その場合は、会社で「古物商の許可」を取る必要があります。
そのような会社は2023年(R5年)10月1日より消費税の処理で気をつけることがありますので、こちらの記事で解説しますね(^^)
消費税インボイスとはこちらの記事をご確認下さい。
»»»消費税インボイスとは?!
変更は、2023年(R5年)10月1日からですが、前もって準備しておきましょう!
古物商特例・質屋特例
古物や質屋の商売は、一般の人から中古品を買い取って(仕入)、一般の消費者へ販売(売上)するビジネスモデルです。
ようは、仕入れも販売も「不特定多数」ということです。
つまり不特定多数の人から商品を仕入れるので、商売している会社ではないため、消費税の「インボイス」の請求書を発行できるわけありません(笑)
ですので、このような業者の仕入れの消費税の控除(仕入税額控除)については、以下の要件をすべて満たしていれば、仕入先がインボイス業者など確認する必要無いということです(^^)
① 古物商又は質屋であること
② 適格請求書発行事業者でない者から仕入れた古物・質物であること
③ 仕入れた古物・質物が、当該古物商・質屋にとって棚卸資産(消耗品を除く)であること
④ 一定の事項が記載された帳簿を保存すること
こちらに詳細が記載されています。
①は問題ないでしょう。
②は、実務的にはチラシにも書いてあるとおり、『買取りの際に相手方に記載させる書類において適格請求書発行事業者か否か のチェック欄を設ける』があるでしょう。
☑ 私(売り主)は、消費税における適格請求書発行事業者ではありません。
みたいな感じですかね(^^)
そしてこちらの書類を保存しておけばOKということです。
次に③番の棚卸資産であること、はポイントですね。
棚卸資産とは、会社のビジネスで将来「売る商品」ということです。
会社に飾る、使うような「自分で使うもの」ではダメだ、ということです。
最後に④は、次の項目で詳しく解説します。
帳簿の保存と記載例
前からもそうですが、消費税の仕入れを証明するために、帳簿の記載方法は大変重要です。
ここを「テキトー」しては、後日税務調査で痛い目見ますよ(^^)
【帳簿に記載すること】
①取引の相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地※
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減対象である場合その旨)
④ 支払対価の額
⑤ 古物商特例又は質屋特例の対象となる旨
イメージはこんな感じです。
①は、売り主の名前です。
リサイクルショップに行けば、名前と住所を書かされますよね。
あの明細から、名前を「帳簿に記載」する必要があります。
これって、実務上結構大変ですよね・・・。
あとプラスして、その人の「住所」も帳簿に記載が必要です。
注意書きで、古物台帳が必要無い1万円未満の取引では氏名や住所は記載が必要無いみたいなので、消費税の方もそれとイコールにしているようです。
このあたりは、可能であれば、売り主にタブレットで住所を入力してもらうのが一番手っ取り早いでしょう。
在庫管理システム(古物台帳にもなる)は使われていると思うので、簡単なアプリを作って、受付で売り主に名前、住所を本人に入力してもらい、そのデータを会計ソフトの帳簿に取り込めるようにしておきましょう。
続いて③、④は、何をいくらで買い取ったかですね。
食品の軽減税率ってこともあるんですかね?!(笑)
これも、上記の在庫管理システムと連動が一番です。
最後に⑤は、勝手に帳簿の摘要に記入されるようにしておくか、そもそもの勘定科目の名称を「古物等の仕入」としておけばいいじゃないですかね(^^)
それか、補助科目やタグで自動的に帳簿に表示される仕組みを作ることをオススメします!
実務的には、『古物台帳+仕入(古物等の特例仕入)』というのが、これまでとあまり変わらずに楽かと思います。
ここにあまりコストと時間をかけないことです。
顧問税理士、経理、仕入れ担当と知恵を絞って、会社のルールを作りましょう!
帳簿の保存期間
上記の帳簿を申告期限から7年間保存する必要があります。
古物台帳も期間は7年と一緒みたいですね。
まとめ
ここ数年、消費税の還付(特に輸出がらみ)は税務署も目を光らせています。
理由は、不正還付が多発しているからです。
そのため、キチンとやっている会社でも厳しく見られますので、帳簿の保存は手を抜かずにやっておきましょう!
<参考>