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税金情報&お知らせ

消費税還付で損しない!輸出企業の税務署の問い合わせ対応&申告チェックリスト

輸出を多く行っている企業では、毎年「消費税の還付」が発生するケースが一般的です。

しかし近年、架空の輸出取引による「不正還付」が急増している影響で、税務署による審査が非常に厳しくなっています。

これまで真面目に申告してきた会社でさえ、還付額が大きいという理由だけで、厳しくチェックされることも。

これは非常に悩ましい状況です。

そこで今回は、消費税の還付申告を行う際に、添付しておくと安心な書類を分かりやすくご紹介します。

 

 

消費税の還付とは?

輸出売上があると、仕入れ等で支払った消費税が戻ってくる「消費税還付」が可能です。

還付の仕組みについてはこちらの記事でも詳しく解説しています:

👉 輸出売上がある会社は消費税が還付されるって本当?!

しかし近年は、帳簿や請求書を偽造して不正還付を受ける法人が増えており、国税庁も以下のような事例を公表しています。

👉 【国税庁】消費税不正還付法人に対する取り組み

 

 

そのため、税務署は「還付申告」に対して非常に敏感になっており、不正を疑われないように、正確な資料の添付が求められています。

 

還付申告に必要な書類

さて本題の、消費税の申告書に添付する書類を確認しましょう。

【必須】

こちらは必須ですのでお忘れなく!

 

 

続けて、消費税の申告書と一緒に、提出した方が望ましいものです(^^)

【任意】
・勘定科目別消費税明細書
・固定資産の請求書
・輸出許可書
・輸入許可書

 

ひとつずつ解説しますね。

勘定科目別消費税明細書

科目別の明細書は、ほとんどの会計ソフトで出力することができます。

 

👉 【弥生会計】科目別税区分表の印刷

👉 【Freee】消費税区分別表・消費税集計表を確認する

👉 【マネーフォワード】「消費税集計」の使い方

 

顧問税理士さんがいる場合は、こちらも一緒に添付してもらいましょう。

 

固定資産の請求書

建物を建設した、大きな機械を買ったなど、一時的な設備投資で消費税の還付がある場合は、固定資産を買ったときの請求書も一緒に添付しましょう。

決算間際の日付であれば、引渡書納品書なども一緒に添付すると、よりベターですね(^^)

 

輸出許可書

輸出許可書は、特に輸出をやっていない会社で、たまたま今回大きな取引があった場合の「数件レベル」であれば提出した方が良いでしょう。

 

ただ、毎月日常的に輸出をやっていて、取引が膨大な会社であれば、輸出の取引ファイルとは別に、消費税の申告用で輸出許可書をPDFなどでスキャンして、保存しておくことをオススメします。

その輸出許可書がなければ、輸出売上は認めてくれませんからね(^^)

 

輸出について書類や帳簿の保存は、こちらの記事をご確認ください。

👉輸出免税で消費税還付するときの、保存する書類と帳簿について

 

輸入許可書

最後に輸入許可書ですが、輸入の場合は消費税還付が絶対にあるわけではありませんが、輸入と輸出両方やっているような会社は、消費税還付の年もあるでしょう。

そして輸入で大事なのが、輸入消費税です。

 

海外から物を輸入する場合は、税関で「輸入消費税」を払うことになります。

この輸入消費税は、経費の消費税として、消費税を納税するときに「控除(差し引く)」することができます。

 

しかし、まあまあの確率で「控除漏れ」があります・・・。

詳しくはこちらの記事で書いていますので、ご確認ください。

👉輸入業者は「輸入消費税の控除」を忘れていることが多く、消費税の過大な納税に気づいていない

 

ここまでやっておけば、税務署からの問い合わせが無い場合がほとんどです(^^)

 

税務署からの問い合わせが来るケース

特に100万円以上の還付申告の場合は、税務署から問い合わせが来る可能性が高まります。

その際に求められる書類例:

輸出売上の元帳

輸出・輸入許可書一式

請求書・契約書・納品書など

これらを日頃から整理・保管しておくことで、スムーズな対応が可能になります。

ることがありますので、このあたりの資料はすぐに出せるように、キチンと整理整頓しておきましょう。

 

まとめ:事前準備が、余計なトラブルを防ぐ

消費税還付に関しては、税務署との信頼関係が非常に重要です。

きちんとした書類を添付しておくだけで、

・不正を疑われにくくなる

・問い合わせの可能性が減る

税務調査のリスクを低下させられる可能性もあります

「税理士がきちんと対応してくれている会社だ」と思ってもらえれば、税務署側の印象も変わります。

少し手間はかかりますが、『後で面倒な対応をするよりも、最初の提出時にしっかり準備する』という意識が大切です。