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輸入業者は輸入消費税の控除を忘れていることが多く、消費税の過大な納税に気づいていない

今回は、『輸入業者が支払う、輸入消費税』について学びましょう。

 

輸入業者は輸入消費税の控除を忘れている

 

1.輸入消費税とは?

外国から商品を輸入し、日本国内の会社や個人に販売する場合は、輸入する際に「輸入消費税」を納めることになります。輸入消費税の計算方法は、以下のジェトロや税関のページをご参考にください。自ら算出は困難ですが、イメージは理解しておきましょう(*^^*)

 

ジェトロのページ

▼質問

商品を輸入販売する際のコスト計算のため、輸入時に支払う関税や消費税の計算方法を教えてください。

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04M-100421.html

税関のQ&Aのページ

▼関税、消費税等の税額計算方法(カスタムスアンサー)

http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1111_jr.htm

 

2.輸入消費税がかかるのはなぜ?

まずこちらの疑問から考えてみましょう。

 

なぜ輸入したものに消費税がかかるのかというと、消費税の基本は「日本国内で消費されるもの」に課税されるのが原則です。そのため外国から「商品や材料」を日本へ輸入するということは、「日本国内で使って消費する」ということです。だから輸入したものにも消費税がかかるのです。

 

輸入した時点で消費税を課税しないと、日本国内で物や材料を仕入れる業者には消費税を払って、海外から輸入したら消費税がかからなければ「輸入した方がお得(安い)」になってしまうと、日本の産業が衰退するからです。

 

外国から輸入するのに、消費税がかかるって変な違和感が多少ありますが、以上のような理由から輸入貨物には消費税がかかるのです。

 

3.輸入消費税を消費税の申告で控除しているか?

では、その輸入消費税の注意点をひとつご紹介します。

 

輸入消費税は消費税の申告の際に、「支払った消費税」として控除するのですが、これを忘れている会社(税理士事務所)が多いこと・・・。あまり大声では言えませが、税理士事務所の知識不足と怠慢ですね(笑)

 

上記で説明した通り、日本国内で払った消費税なので、消費税を計算するときに売上の消費税から控除して計算します。

 

消費税の仕組みは、こちらの記事で説明しているのでご確認ください。

 

輸出売上がある会社は消費税が還付される?!

 

ではなぜ忘れている会社が多いのか?

 

それは、輸入消費税を払っている会社の数が少なく、税理士も実務で触れたことが無い人も多いため、このような知識が無いからです。頻繁に輸入している会社であれば漏れはなさそうですが、年に数回とか、たまにだと漏れは確実にあるでしょう….

 

誤った処理としては、「仕入れ」などの原価に計上されているので、会社の利益が少なくなっているはずです。そのため、法人税は下がっている可能性がありますが、消費税は100%控除可能なので、会社のお金は減っているはずです。あー恐ろしや・・・。

 

4.消費税の申告書で確認してみよう

消費税の申告書に添付されいてる、「付表2 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表」というものがあります。その付表の『⑫課税貨物に係る消費税額』に金額が入っていれば、輸入消費税の控除がされているということです。

 

サンプルがこちらです。(クリックすると拡大します)

 

消費税8%には内訳があり、「消費税6.3%と、地方消費税1.7%」に区分されています。その消費税6.3%の分だけをこの⑫の欄に記入します。残りの1.7%部分は、自動的に計算されて控除されますのでご心配なく(^ ^)

 

例えば、CIF価格と関税の合計額が、1,000万円だったとしましょう。

そうすると、消費税は以下のように計算します。

<輸入消費税の計算>

・消費税 1,000万円×6.3%=63万円

・地方消費税 63万円×17/63=17万円

・合計消費税 80万円(ようは8%と変わらず)

 

以上のとなります。

このうち「消費税の63万円部分」を『課税貨物に係る消費税額』へ記入します。

 

なお、会社で輸入しているものが多く、輸入消費税を払っているのに、ここに数字が入っていなければかなり怪しいです・・・。結構な数の会社がいると思いますが。

 

5.輸入消費税の仕訳を確認(弥生会計の場合)

次は、輸入消費税の仕訳を確認しておきましょう。CIF価格と仕入の金額が同じとします。

税抜処理の場合

仕入    1,000万円/ 買掛金 1,080万円
仮払消費税 63万円(国税)
仮払消費税 17万円(地方消費税)
 
この際注意するのが、会計ソフトでの入力方法です。「仕入と仮払消費税」の消費税区分を適正に入力していないと、消費税の計算においてキチンと反映されませんのでご注意下さい。
<消費税の区分>
仕入 ⇒ 対象外
仮払消費税(国税)⇒ 課税対応輸入消費税6.3%
仮払消費税(地方消費税)⇒ 地方消費税貨物割1.7%
輸入消費税の仕訳税抜き処理
 
※弥生会計の消費税区分に、「課税対応輸入本体6.3%」という区分がありますが、これを選択する必要があるかは不明です。。。
仕入は本体を選んだ方が良さそうですが、消費税申告書の計算においてはなんら影響が無かったため、面倒なので「対象外」で処理しています。弥生会計さん教えて下さい(*^^*)
 

税込処理の場合

仕入 1,000万円/ 買掛金 1,080万円
仕入   63万円(国税)
仕入   17万円(地方消費税)
こちらも消費税の区分はお間違いなく。
<消費税の区分>
仕入 ⇒ 対象外
仕入(国税)⇒ 課税対応輸入消費税6.3%
仕入(地方消費税)⇒ 地方消費税貨物割1.7%
輸入消費税の仕訳税込処理

 

以上のように、輸入消費税の会計処理は面倒です。ただこれを間違えると、消費税の控除を忘れてしまい、大きな納税負担となりますので、しっかり確認しておきましょう!

 

6.消費税を取り返す?!

過去の申告で輸入消費税の間違いがあったとしましょう。その場合は、「更正の請求」という手続きをとり、消費税の控除忘れを還付してもらいましょう!

 

更正の請求については、こちらの記事で詳しく書いていますので、ご確認下さい。

 

消費税申告後でも、輸出売上の消費税は「更正の請求」をすれば還付出来る!

 

その場合は、法人の利益(所得)も間違っているので、その分の修正申告も必要になるでしょう。ただそこは税務署と交渉しましょう(笑)

 

消費税が還付されて受け取ったときに収入に計上するので、修正申告までしなくてもいいですよね?と。この辺りは、金額の大小、その時の担当者の判断によって分かれてくると思います。数十万円のために修正申告するのもね・・・。最近は「職権でお願いしますよー。」はできないようですもんね。

 

7.まとめ

輸入や輸出の取引は、日本国内の取引と違って、見なれない書類や、さまざまな税金が出てきて処理を迷われる方も多いでしょう。

 

その時は、「気になったらすぐにググる!!」という方法でもアリです。最近思いますもん。顧問税理士よりGoogleの方が優秀なのではないかと(笑)

 

まあ笑い話ではありませんが、僕も知識はGoogleに負けます(笑) そりゃそうですよ、データの量が半端ないんですから!ただ知識を使った『知恵』では負けてはいませんので、ご不明な点はお問合せください(^ ^)

 

 

<注意>

こちらの記事は、中小企業の経営者や経理担当者に分かりやすく書いています。そのため細かな詳細は省いておりますので、ご不明なことは顧問税理士さんか税務署、または当事務所までご相談ください(*^^*)